日々のみおしえ - 8月12日

8月12日

炎天に田畑に出(い)でて務むるはよろずの人の糧つくるなり

人の勤労の尊さは誠に得難いもので、常に感謝の心を忘れますと、肉体の患い、事業の失敗によって教えられます。自分に都合の良い時のみの感謝ではなりません。万物に感謝の誠も捧げず、終生の奉仕も出来ない為に、幸福を望みながらもどん底に陥(おちい)って行くのであります。農夫が土地を耕し、種を蒔き、肥料を施し、手入れをして、実らせていく苦心等は容易でないのであります。農業に従事している人を、人は百姓と名付けて居ります。その意味は、百種類の種を蒔き、之(これ)を成長させ実らせ、万人に肉体の糧を与えたり、又目を通じて心を楽しませる草花を作ったりするからであります。農夫の人達の苦労を理解すれば、旅行等の場合、進行中の列車の窓を開け、耕作に従事する人達に合掌し、蔭ながらでも感謝を捧げなければなりません。